失敗を認められない心の奥で起きていること

こんにちは、ヒロです。
先日、あるコミュニティで
こんな話を聞きました。
その方は
お母さんとの関係に悩んでいました。
お母さんは承認欲求が強く
何かをしてあげると、
「ありがとうは?」
と、ちょいちょいお礼を求めてくるそうです。
そんなお母さんがある朝突然
その方に向かって泣きながら、
「私が悪かった。育て方、失敗したね」
と謝ってきた。
それを聞いたその方は、
腹が立って言い返してしまったそうです。
そして僕に、
「私は、どう対処したらよかったんでしょう?」
と相談してくれました。
僕が答えたのは、
「お母さんに、
『育て方、失敗したね。でも大丈夫だよ』
って言ってあげたらいいんじゃない?」
というものでした。
すると、その話を聞いていた別の方が、
「大丈夫なのであれば、育て方は
成功したってことですよね?」
と聞いてきました。
僕は、ちょっと沈黙しました。
「違うんですか?」と、その方。
さて、皆さんはどう思いますか?
確かに結果だけを見れば、
「大丈夫だった」=「成功だった」
と言えるのかもしれません。
でも、僕がここで大切だと思ったのは
そこじゃあないんです。
まず、
「失敗した」と認めること。
そして、
「失敗した自分でも大丈夫」と思えること。
この二つです。
ここって、意外と難しいんですよね。
なぜなら僕たちはいつの間にか、
成功=良いこと
失敗=悪いこと
という価値観を身につけているからです。
だから「失敗したけど、大丈夫」
と言われると
「じゃあ、それは本当は成功だったんじゃない?」
と、失敗そのものをなかったことに
したくなる。
でも、それでは結局「失敗してはいけない」
という前提が残ったままなんです。

失敗を許すために
成功を求めていないでしょうか?
生きづらさを抱えている人には
こういうことがよくあるんです。
仕事で成功したい。
人間関係をうまくやりたい。
良い親になりたい。
誰かに認められたい。
ちゃんとした人間になりたい。
もちろん、それ自体は
悪いことではありません。
でも、その奥に、
「失敗した自分には価値がない」
という思いが隠れていることがあります。
そうすると「成功したい」という願いに見えて、
実は、「失敗したくない」という恐れに
突き動かされている。
ここが、ちょっとややこしいところです。
成功を目指しているようで、
失敗から逃げている。
一見すると同じように見えるけれど
心の中で起きていることは全然違います。
無意識は、そんなふうに動いているんです。
しかも、やっかいなのがここです。
本人は、なかなか気づきません。
「私は失敗を恐れているんだ」
と思いながら生きている人は意外と少ない。
むしろ、
「もっと成長したい」
「もっと成功したい」
「もっと自分らしくなりたい」
と思っている。
だからこそ無意識の働きは面白いんです。
自分では「成功したい」と
思っているのに、実は「失敗したくない」
が原動力になっている。
自分では「人の役に立ちたい」と思っているのに
実は「認められたい」が隠れている。
自分では「ちゃんとしたい」と思っているのに
実は「ダメな自分を見たくない」が動かしている。
こういうことは、珍しくありません。
だから、自分のことなのに、自分では分からない。
無意識。
僕がこの領域に興味を持っているのも
まさにここなんです。
ここは誤解してほしくないのですが、
「失敗してもいい」
というのは、
「適当にやればいい」
という話ではないんです。
自分なりに大切にしたいことがあるなら
努力すればいい。
成功を目指してもいい。
もっと良くなりたいと思ったっていい。
ただ、その結果が失敗だったとしても、
「失敗したわたしはダメだ」と
自分の存在まで否定しなくていい。
ここが大切なんだと思います。
失敗した、でも大丈夫。
この二つは両立するものなんです。
そもそも本当は
「成功」と「失敗」というものさえ
絶対的なものではないのかもしれません。
ある人にとっての失敗が
別の人にとっては大切な経験になる。
そのときは失敗だと思ったことが
何年か後には人生を変える出来事に
なっていることもある。
だから僕は、
「成功するために生きる」というより
「自分が大切にしたいものを大切にして生きる」
というほうが、ずっと自然なんじゃないか
と思っています。
結果として成功することもある。
失敗することもある。
それでいい。
大切なのは
「成功した自分だけがOK」ではなく、
成功しても、失敗しても自分を見捨てないこと。
そのうえで、
「私はどう生きたいんだろう?」と考えていく。
もしかするとそれが「成功」より
ずっと大切なのかもしれません。
今回の話も、
「育て方は成功だったのか、失敗だったのか」
という二択ではなく、
「失敗したと思っている自分でも、
大丈夫なのか?」
というところに、本当のテーマが
あったのだと思います。
そしてそれは、わたし達自身にも
問いかけられていること
なのかもしれません。
あなたは今、「成功した自分」に
なろうとしているでしょうか。
それとも、「失敗しても大丈夫な自分」
を、少しずつ許せているでしょうか。
この違いは、自分で思っている以上に
大きいものです。
P.S.
8月14日(金)21:00からは
『大人になれない
オヤジのシンリ探求談義』です。
横浜流星の多様性、著名人の事件や性犯罪
パワハラ、推しをめぐる自死など
今回も気になる話題を取り上げます。
まだテーマは決まっていません(笑)。
ただ、バラバラに見える出来事の奥にある
「人間の無意識」には、何か共通するものが
ある気がしています。
その正体を、一緒に探してみたいと思います。

